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2006年06月06日
鰹のたたき、鰺と水茄子の胡麻サラダ、里芋のコロッケ、炙り鯖の棒ずし
シアターコクーンで「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」を見た帰りにポプラ社の矢内さんと近所の「春秋」で食事。
E.オールビーの傑作戯曲をこうした客寄せ中心のキャスティングで上演するのは冒涜だと宣うた方がおられるが、当たらずとも遠からずであった。私は昔ローレン・バコール主演の映画で見た記憶がちらっとある(もちろん封切り時に見たわけではありません。TVの再放映です)だけなので、今回良い機会だと思って拝見したのだけれど、案のじょう大竹の自分勝手な演技と、稲垣ともさかの理解力不足の演技によって、登場人物が全然立ちあがって見えてこないのに参ってしまった。妄想でしかつながれない夫婦の傷ましさという主題は日本だと初演時よりはるかに理解しやすい時代に入っているから、この戯曲の上演自体は意義深いと思われただけに、だれか違う役者と演出で見たかったというのが本音である。そんなわけで今日はこれ以上書かない。
それにしても前回の蜷川&野田&松潤の芝居に引き続いて見たから余計にそう思われたのだが、かつて新橋演舞場や芸術座や三越劇場などに押し寄せていたいわゆる商業演劇の観客は近年激減して、もう世間にその手の客層は無くなったのかといえば左にあらず。商業演劇観客第2世代ともいうべき女性たちが今やコクーンを席捲していることをハッキリ感じさせる客席だった。面白いのは昔ならその手の観客に理解できる程度の芝居を見せるというのが御定法だったのに、今どきは野田やオールビーの戯曲を強引に見せられて、内容がわかろうが、わかるまいがとにかく素直にゲラゲラ笑って見られる女性たちが出現したという現実があり、これはある意味で日本の現代を象徴する出来事のような気もするので、この点に関してまたいつか詳しく書く機会もあろうかと思う。
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